高級ランチと崩れたお弁当

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「さて」  授業の道具をしまって私はため息をつくと、ランチバックとカバンを手に立ち上がった。  三日間の中間考査も今日で終りだ。  試験中は午前だけだから、いつもはこれで帰宅となる。なのに、お昼にお弁当が食べたいと上坂がだだをこねたために、今日の午後は用がないというのに私はお弁当持ちだった。教室の中には、午後から練習のあるクラブの人たちがめいめいお昼を広げ始めている。  上坂にお弁当を作ってくるのはもう仕方ないとあきらめるけど、毎日お昼に迎えに来られるのはホント勘弁してほしい。そのたびに、クラスの女子から突き刺さるような視線を受ける私の身にもなりやがれ。  なので、学習した私はなるべくさっさと屋上に行くようにしている。
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