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「早くいかないと、また彼氏がお迎えに来ちゃうわよ」
「そうだ、急がなきゃ。じゃ、私、行くわ」
「また、明日」
冴子に手を振りながら、急いで後ろのドアを通ろうとした時だった。
「うおっ!」
「きゃ!」
教室を出ようとした私の前に、何か大きなものがぶつかってきて、私はその場にしりもちをついてしまった。
「ごめんっ、梶原。大丈夫か?」
ぶつかってきたのは、柔道部の島田君だった。あわてて私が起きるのに手を貸してくれる。それから島田君は、廊下の端まで転がっていった私のランチバックを拾い上げてくれた。島田君の持っていた購買のパンとおにぎりも一緒に。
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