高級ランチと崩れたお弁当

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「大丈夫よ。まだ食べられるから」 「まあ普通の神経持ってたら、そんなひどいものを人に食べさせようなんて思わないでしょうけどね」  くすくす笑っている二人に向き直る。 「私が食べるわよ」 「そういうお弁当が、梶原さんにはお似合いじゃない? 身の程を知れ、ってことよ」 「そうそう」 「そうね。私、料理作るのは得意だけど、顔盛ったり媚び売ったりは苦手だから」 「なっ……!」  淡々と言ったら、とたんに彼女たちは気色ばんだ。 「勉強しか取り柄のない鉄仮面のくせに、蓮に媚び売ってんのはあんたじゃない!」 「どうせそのお弁当だって、親にでも作らせてんでしょ? 家庭的アピール? ブスのくせに……あんたなんか、蓮に不釣り合いよ!」  ぐ、と唇をかみしめる。
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