高級ランチと崩れたお弁当

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「ちゃんとわかってる?」  責めるようなその言葉に、上坂は足をとめた。一拍後に、にっこりと笑いながら青石さんを振り向く。 「わかってるよ」 「……ならいいけど」  納得していないような声で言った青石さんを置いて、上坂は廊下を歩き出す。 「何を、わかってるのよ」 「内緒ー。お昼、行こうか。俺、うまい店知ってるんだ」 「何言って……ちょっと!」  私の抗議なんかどこ吹く風で、上坂は昇降口へと向かった。
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