高級ランチと崩れたお弁当

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  ☆ 「なによ、これ?!」 「美希、グリーン嫌い?」 「そういう問題じゃなくて!」  この格好じゃまずいな、とつぶやいた上坂が私をつれてきたのは、駅前のブティックだった。マネキンの着ている服はどれも素敵だったけど……私が見てもわかる、高そうなものばかり。 「じゃ、着て。早く早く。ランチ、終わっちゃう」  急かされて試着室に押し込まれた私は、わけのわからないまま上坂に渡されたワンピースに着替える。  明るいカーキ色のそれは、さらりとした肌触りが気持ちよかった。ウエストを絞ったデザインで、胸元のレースが甘すぎない程度に可愛い。  こんなかわいい服、着たことないや。制服より長めのスカート丈なのに、なんだか足元が心もとない。
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