第3章 幕末に降臨した魔物

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奥秩父の山の山林の間を駆け抜ける者たちが男女合わせ6人、その研ぎ澄まされた霊力は、相当なものである。 時には空中を飛び、お互いに手にした潜在能力をぶつけ合い、互いに鍛練して、その潜在能力にも磨きをかける。 そんな中で1番、霊力が強く時空間を超えて波動や気を感じる者が、とある強い魔の気を感じ取り立ち止まる。 その者とは鏡恭一である。 「どうした恭一?」 立ち止まった恭一を気にかけ、1人の仲間が恭一に声をかける。 八代崇である。 「邪悪な気が時空間を超えて感じる…。しかもいくつも感じる。その内の1つの強い邪悪気が…何処だ…この時代は…幕末か…うん間違いない」 そう恭一は崇に話し更に続ける。 「急がないと…」 と、恭一は急くが、そんな恭一に近付いて来た、もう1人の人物が話しかける。 「焦るな恭一。剱崎さんもまだ俺たちは修行不足だと言われているだろう」 そう言ったのは倉本美男である。 「倉本さんの言う通りよ。焦らないで恭一くん」 と、言ったのは大崎愛美である。 「そうよ焦ってもいい事ないよ。剱崎さんも言っていたじゃない。私たち、まだまだ修行しなと八雲双運に敵わないって」 と、言ったのは前山美鈴である。 「鏡くんが焦る気持ちは分かるよ。私たちここで修行をはじめて2ヶ月以上が過ぎてるから、あれから鏡くんの時空間を超えて感じる邪悪な気の数も増えているものね…でも焦ってはダメよ」 そう言ったのは森深雪であった。 皆が恭一に焦るなと言って止める中、崇だけは違っていた。 「皆は、焦るなっていうけど俺たち、ここで修行してだいぶ能力はアップしてるぜ、俺なんて恭一みたいに時空間を超えて波動や気を感じ取り事はできないけど、現代の波動や気を感じ取る事はできる。今、八雲双運は現代にいないみたいだぜ。おそらく奴は時空を行き来できる能力がある。恭一が感じる強い邪悪な気はもしかしたら八雲双運なんじゃないのか。だったら急がないといけない俺は思うぜ」 そう崇が言い、恭一も崇に同意し頷き、そして恭一は意を決して。 「俺、剱崎さんに確認して来る」 そう言って駆け出していた。
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