第3章 幕末に降臨した魔物

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一方、幕末では…。 湯水幸彦がタイムスリップした幕末はちょうど、尊皇攘夷派が台頭、長州の久坂玄瑞らは、公家の三条実美、姉小路公知らと結び、公武合体派の岩倉具視らを排斥して、朝廷を尊皇攘夷化した頃、幕府へ攘夷を督促する勅使として、三条実美と姉小路公知が江戸に下り、幕府に攘夷実行を迫っていた頃の幕末の京である。 そんな時代の京に幸彦はタイムスリップしていて、壬生浪士組の永倉新八と原田左之助を右手からくり出した気功波で一撃で倒し退かせ、それを見ていた久坂玄瑞の誘いに乗り、京の長州藩に来ていた。 長州藩邸に久坂玄瑞が、可笑しな格好の幸彦を連れて来たため、藩邸は騒然としていた。 幸彦は長州藩邸の一室に通され、しばらく待たされていた。 (ここが長州藩邸…) そう思いつつ、幸彦が辺りを見渡していると、再び謎の声が幸彦に話しかける。 《どやら如何にも怪しいお前の事で奴ら揉めているぞ。それはそうだ。刀槍を持つ浪士2人を素手のみ、しかも一撃で倒した人物。格好からして怪しい、出自も怪しい、そんなお前は危険人物としか見られん。これからどうするのだ》 そう謎の声が幸彦に話しけると幸彦は。 「大丈夫だ。この時期の長州藩は尊皇攘夷に凝り固まり。そして朝廷の信頼を勝ち取っている。朝廷の信任がある長州藩だ大丈夫さ」 と、楽観的な事を幸彦が言ったため、謎の声の主は《まぁ~お前のやり取り方で乗りきれ》と言って、それ以降、謎の声が幸彦に聞こえる事はなく、幸彦もあまり深く考えずにいたが、久坂玄瑞は桂小五郎と別室で激論を交わしていた。 一方、謎の声の主は八雲双運であるが、八雲双運は幸彦が、「大丈夫 」と言っていたが、八雲双運としては権力者と世の人々に恐怖と絶望を与える事、故に…。 (奴1人に任せておけぬ…確かまだ青石を与えた者がこの時代に来ているはず、その者を探して協力させるか) そう考えて、青石の放つ妖気を探った。
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