第3章 幕末に降臨した魔物

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長州藩邸の門前に来た八雲双運は再び幸彦に話しかける。 《これから面白いショーを始める。そのショーをする者たち3人は、お前と同様にブルーストーンを手にした者たちだ。お前ほどの力はないが、それでも普通の人間が如何に鍛え上げたとて到底敵う相手ではない。その3人は、この今日よりお前の手下となる者たちだ。さぁ~ショータイムの始まりだ》 そう八雲双運は言い終えると、長州藩邸の門前に連れて来た3人、本田保志、吉川雅美、田之上祐司たちに命じる。 「お前たちには霊力が覚醒している。それと、それぞれ潜在能力が覚醒している。お前たちの力を見せてやれ」 そう八雲双運が言うと、本田保志、吉川雅美、田之上祐司が目を見開く、その目は怪しく、そして妖気を体中から放っていた。 本田保志、吉川雅美、田之上祐司の3人は長州藩邸の門の目前まで来ると、田之上祐司が、門に両手を添え、軽々と、そして門を破壊した。 門が破壊され、その破壊音は周辺へと響き渡り、長州藩邸に近い邸宅や宿から何事かと人々が出て来る。 無論、長州藩邸内からも藩士や使用人たちが何事かと「なんだ!」「何事だ!」「なんだ今の凄い音は!」などと、口々に言い、音のした正門の方に集まって来て、久坂玄瑞や桂小五郎も出て来ていた。 皆が集まり見た、その光景は、見知らぬ男2人と女1人が、門を破壊して入り込んでいたのである。 「なんだお前ら、こんな事して何処の手の者だ!ここが長州藩邸と知っての仕業か!」 と、血気盛んな長州藩士数名が、3人へ太刀を抜き挑みかかる。 だが…。 3人は、挑みかかって来た長州藩士数名が振るう太刀を、いとも簡単にかわして、そして長州藩士数名を一瞬のうちに、素手の打撃で次々と倒していた。 それを見た久坂玄瑞は、ボソッと「奴と似ている」と言い、これを聞いた桂小五郎が。 「奴と似ている?」 と、問いかけるのをよそに、久坂玄瑞は側にいた伊藤俊輔に「何人か連れて奴のところへ行き奴を部屋から出すな」と命じ、命じられた伊藤俊輔は数名を連れて、幸彦がいる部屋へと向かった。
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