第3章 幕末に降臨した魔物

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「似ているんだ奴…湯水幸彦とかいう拙者が連れて来た奴が壬生浪士組の奴らを一瞬のうちに、一撃で倒した技か術に…」 と、久坂玄瑞は言い、そして久坂玄瑞は表情を曇らせ「拙者は、もしかしたらとんでもない奴を連れて来てしまったのかもしれない」と言い、そんな久坂玄瑞に桂小五郎が。 「連れて来てしまったものは仕方ない。それより今を如何に乗り切るかだ」 と言って、更に人を集めて、藩邸に乗り込んで来た3人を退かせる策を考える。 一方、幸彦は藩邸内が騒がしくなって、待たされた部屋から出て来ていた。 「なんだ…何かあったか?」 と、幸彦の前を駆けて行き交う藩士を見詰めて、そんな中、久坂玄瑞に命じられた伊藤俊輔が数名の藩士を連れて、幸彦の前に現れた。 「あっ!まずい!部屋から出てしまっている!」 という、伊藤俊輔の声に気付き、幸彦は伊藤俊輔の方を見た。 見れば伊藤俊輔たちは板と金槌のようなものを持っていて、それを見た幸彦はなんとなく想像ができ。 「そんな物を持って…さては俺を部屋に閉じ込めるつもりか?」 と、幸彦は伊藤俊輔に問いかける。 すると、伊藤俊輔は戸惑いながら「そんな事は…」と、返答に困っていたので、幸彦は頭を掻き、苛立ちをあらわにして。 「ああぁ~!久坂さん一晩泊めてくれるみたいな人の良さそうなふりをしていたか!」 と、言い放ちギロリと、伊藤俊輔たちを睨み付ける。 そんな幸彦の表情を見て伊藤俊輔は、ただならぬ雰囲気を幸彦から感じ取り、後方に控える藩士たちに小声で「やるしかない」と指図、そして腰の太刀に手をかけた。 それを見た幸彦は「へぇ~。俺とやるつもりかいいぜかかって来な」と、伊藤俊輔たちを挑発、この挑発に乗り、伊藤俊輔と数名の藩士たちは、太刀を抜き、幸彦へ飛びかかっていった。 だが…。 一瞬の出来事である。 伊藤俊輔と数名の藩士たちは、幸彦のくり出した気功波で撃退され、部屋の襖に激突、襖を壊して畳の上を転げていた。 そして幸彦は騒がしい門の方へ早足で歩き出していた?。
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