第3章 幕末に降臨した魔物

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幸彦が門の方へと来ると、既に数多くの長州藩士が地べたに倒れていて、そして数少なくなった長州藩士は後退りし、そして、その後方には久坂玄瑞と桂小五郎が、顔を青くしていて、腰の太刀を抜き、何かに立ち向かおうとしていて、その何かを幸彦は、確認するため、その前方を見ると見知らぬ3人が数少なくなった長州藩士と、久坂玄瑞と桂小五郎の方に近づくのが見えた。 「なんだ…これは?」 と、幸彦は状況が分からず、そう言うと、その声に気付き、その場の者たちの視線が幸彦へと注がれ、それを見た3人見知らぬ者たちが、幸彦を見つけ、幸彦の前まで来ると片膝をつき、そして1人の男が口を開き言う。 「湯水様、探しました。俺は本田保志といい、後ろに控えるのは吉川雅美と田之上祐司と申します。八雲様がお待ちです。さぁ参りましょう」 と、本田保志が言い、これに幸彦は頭を傾げるが、そんな幸彦に本田保志が言う。 「付いて来て下されば分かります」 と、言われて幸彦は付いて行く事にして、そして久坂玄瑞たちの方を見て。 「久坂さん次に会った時には容赦しないよ。おっと奥に長州藩の人何人か倒れているから。行ってあげなよ。あんたが命じて俺を部屋に閉じ込めようとしたんだろう」 そう言い残して、幸彦は本田保志たちに付いて、長州藩邸から出て行った。 その長州藩邸から出て行く、幸彦らを物陰から見詰める者が2人いた。 幸彦を探していた壬生浪士組の山南敬助と土方歳三の2人である。 「永倉さんの話していた奴に人相が似ているな…」 そう山南敬助が言うと、土方歳三が頷き。 「ああ…。だが見たか奴の後方の3人の強さ…」 と、土方歳三が言うと、山南敬助は頷き。 「長州藩邸の門を素手で破壊するなんて、しかもあれだけの太刀を持った人数を素手だけで倒す妙技、強すぎる…」 と言い、そして土方歳三が問う。 「どうする後を追うか?」 「いきましょう。何者か探らなければ…」 土方歳三の問いかけに山南敬助は、そう返答、これに土方歳三も同意して2人は幸彦らの後を追った。
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