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何が起きたか、そんなことはどうでも良かった。 …血の色って、何色だっけ? 止めどなく流れる血が、海の思考を鈍らせる。 瞠目する海の瞳はくるみを終始写し続け、目を切ろうとしても言うことを効かない。 瞳孔が開き錯乱状態に入る。 何故、くるみが倒れているのか。 さっき聞こえた銃声がなんなのか。 分からない。 でも。 くるみは血を流し倒れていた。 「くるみ?」 ゆっくり近ずいた。 くるみの額から流れる真っ赤で美しい鮮血が地面に溶ける。 「おいっ…冗談よせよ」 近ずいても尚、分からない。 状況が。 そっと触れた。 海のズボンにくるみの血が染まる。 グランドにだらしなく正座し、くるみの肩を優しく掴む。 ぱぁっぁぁぁぁぁぁん!!! 「…うっ」 頭の中でさっきの銃声がした。 くるみの肩に触れた手をすぐに額に当てて目を瞑る。 目を開けて、漸く。 海は正気を取り戻した。 「…誰か、、誰かぁー!!」 差程、大きくもない海の声は。 周囲を圧迫する。 肩を抱き、倒れてるくるみを海の膝に載せ、抱く。 「…今日、だった…だ」 まだはっきりと残るくるみの体温が、海に凄絶な勢いで絶望を与える。 返事はない。 動かない。 「今日、、くるみに、言う筈だったんだ...」 海の手が、くるみの肩を強く掴む。 柔らかい身体。 触れたいと願った。 こんな、形ではなく。 「好き、、、、って」 後ろが騒がしいな… でも… なんにも聞こえねぇ... 何処だ...ココ、、。 なんだこれ… くるみだ… くるみか… … … そっか これ …くるみだ プチン… 「あぁぁぁぁぁぁ、、あぁーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」 溶け込む温もりと影。 真冬に及ばない温もりを奪う風。 射し込んだ陽が影を作り、雲がゆっくり、光に闇を落とす。 空を舞う雪。 前髪が海の表情を隠す。 身体を小刻みに震わせ。 少し、くるみを抱き抱える力をあげた。 「くるみ、雪だ...」 くるみの白い肌に落ちた雪は、まだ温もりのあるくるみの体温で溶け。 儚く。 地面に零れ落ちた。
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