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その後眠ってしまった!
ぐっすりと眠ってしまったのだ。こんなに暗くなるまで。
恵里は結論が出たことにほっとするとともにとても不安になった。
「今、何時だろう?」
携帯のスマホは金属質の冷たさですぐに手元に確認できたが真っ黒だった。
「電池切れか」
寝る前までユーチューブで動画を見ていたせいだろう。
しようがない。恵里は手探りで壁のスイッチを探りオンにするが、つかない。
「えっ、ここの二階って電気が来ていないんだけっけ?」
暗いうえに誰もいないこと、何の物音もしないことへの恐怖は一言では言い表せなかった。
なんとか人の気配があるところへいこう、と階段をそろりそろりと降りる。腰の痛みなどどうでもよくなっている。
「下でテレビをつければ、何時かわかるよね?」
階段の途中の窓の外も漆黒の闇なのだ
恵里は、リビングルームへたどり着いた。いまやセカンドホームのように慣れ親しんだモデルハウスのリビングも暗く黙している。スイッチを何度も押すが灯りはつかない。念のためテレビのリモコンを操作したが、ここで
「ああ、ここ受信していなかったんだ」と思い出し愕然とする。
「ど、どうしよう」
恵里の住むマンションには非常防災用品が一応そろえてあった。
ラジオと懐中電灯と、そして乾パンやちょっとした薬品。ここはそんなものはない。
ひいいいいい。
恵里は恐怖と絶望で叫んだ。
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