15時前:待合所にて

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熱発者専用の静かな待合所 総合クリニックの喧騒が少しばかり遠く隔たれる。 頭の中で、同じメロディをリピートしつつ、幾つかのシーンを反芻する。 ひとつも後悔などしていない。 知らない熱と匂い 傷付かないでと、震えていた。 今年、最後にして最大の秘密に違いない。 「急に特別になっちゃったね」 なんて、笑った。 明日、夜はどうだろうか。 このまま結果が出てしまったら、また先延ばしになってしまうね。 やきもきする午後3時前 それとも、あなたは看病してくれる? 放っておいたら死んでしまうかも、なんて大袈裟。 あなたでも、君でも どちらでもいいような気がしてしまうのは 熱に浮かされた頭のせいだ。 きっと とか考えているうちに、診察に呼ばれて、その結果にほっとする。 やっぱり明日には、全てが決まる。 どうにでもなってしまえと思うような、そうでもないような。 喉から血の味がする。 もう、十分に傷付きすぎた。 ひたすら考えを巡らせる、待合所はやはり静かだ。
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