Bianco&Rosa

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ピンクの缶のエナジードリンク フラミンゴのロンT 片足立ちでもぐらぐらすることなく、そこに貼り付いているプリント そうなれたらラクなのか。 何度呼吸を繰り返してもラクになることはない。 大きく吸って、一瞬重圧を手放したのち、すぐにまた重苦しく肺を蝕んでいく。 私 私は あの頃から一歩も進めていない気がする。 自分の足で立ててすらいない気がする。 出来損ないのフラミンゴみたいだ。 生まれ落ちて白いまま、 片足立ちでぐらぐらと崩れそうになっている。 依然として自分の生に対して懐疑的だ。 ずっと側にいてくれた、あの柔らかい愛しい被毛はもうどこにもないのに、救いを求めてしまう。 その場所でならば、赦されるのではないかと。 生を、赦されたいのか。 死を、赦されたいのか。 どちらか分からないまま、祈り続けている。 出口の見えない日々。 色が混じり合って だけど、その先に何にもなれない。 産まれたまま、なりきれない不器用さで。 吐き出すこともできず、だけど気付いてほしいなんて 虫のいい話だ。 ここに、少しの勇気があったなら。 もう片方の足を地につけることができたなら。 半歩でも進むことが、できるだろうか。 言葉に落とすことが、できるだろうか。 甘ったるいエナジードリンクが体に染みて、 白が桃色に変わることを期待している。 15時が、忍び寄る。 355mL分の、祈り。
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