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「……美桜……なの?」
そんな言葉が自然と唇から溢れ落ちた。
「……そうだよ、樹里」
その声を聞かなければ、美桜とは信じられなかったかもしれない。
私と広海の記憶の中の美桜は、10年前の姿のままで止まっている。
広海より背が高くて、ショートカットで、ボーイッシュな美桜。
いつも凛としていて、お姉さんみたいに頼りがいがあって、カッコいい自慢の幼馴染みだった美桜。
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