幼馴染みの期限を過ぎても

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むうっと膨れながら、足音を荒くして部屋のドアへと向かった私の身体を後ろから広海が抱き締めてきた。 「離してよ!」 ジタバタともがく私の身体を落ち着かせるように、広海はさらにギュッと力を入れて、広海に包み込まれるような格好になってしまった。 私と広海は身長差があるから、こんな風にされると、手も足も頭も動かせないからどこにも逃げられなくなってしまう。 身動きが取れなくなって、さっきまでの怒りも、しゅるしゅると萎んでいく。 私の身体から力が抜けたのを感じたのか、耳元でクスッと安心したように笑った声が聞こえた。 「ごめん。からかい過ぎた」 「お前が照れてるのも、恥ずかしいのも全部分かってんだけど、可愛かったから……」 「……止まんなかった」って、耳元で囁くように言われて、また一気に体温が上がった気がした。 「まぁ……最初は恥ずかしがっててもいいから、少しずつ慣れていこうな」 ほら、こっち。と、くるりと向きを変えられて、向き合う体制になる。 ……これは、言われなくても広海が何をする気なのか、ちゃんと分かってしまった。 次の行為に緊張して、カチンと身体が固まってしまった私に広海は苦笑しながら、「目は、ちゃんと閉じろよ」と言って唇を近づけてきた。
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