《 番外編 》 初めての……

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冷たい水が喉を滑り落ちていく。 ゴクンゴクンと喉を動かしているうちに、喉とグラスを持っている両手から冷たさが全身に染み渡って、少しだけ頭のズキズキが引いたような気がした。 こてん、とまた広海の肩にもたれて、ふーと息をつく。 「お前、何杯飲んだんだよ」 顔真っ赤じゃねぇか……とため息をつきながら呆れたように言った後で、広海は私の肩に手を回して引き寄せて支えてくれた。 頭がグラグラしないようにしてくれたのかな…… 広海の肩よりも少しだけ胸に近い位置に頭を付けると、冷えた身体に広海の体温が心地良く感じた。 ゆっくりと目を閉じる。暫くして頭に羽が当たっているみたいに軽く優しく、何かが触れる感触がした。 ……頭、撫でられてる? 思えば、小さい頃から広海はよく私の頭を撫でてくれていた。今は頭が痛いって分かってるから気を遣いながらそっと撫でているのかなって思うと、ちょっとだけ可笑しい。そこまでして私の頭を撫でたいの?って、そう言って笑い出したくなってしまう。 口だけはずいぶん乱暴になっちゃったけど、こんな風にどこまでも私を受け入れてくれる優しい所は、昔のちっちゃくて泣き虫で可愛かった頃と全然変わらないなと思う。
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