第5章 導かれるもう一つの運命の出会い

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第5章 導かれるもう一つの運命の出会い

「えっ…?」花奏 花奏は突然隼人に掴まれたその手首をただ呆然としながら視線を一瞬落としてから隼人を見た。 隼人は花奏と目線が合うと勇気を出して静かに口を開いて言った。 「ここにいてくれないか…?」隼人 「えっ…でも…」花奏 「もう少しだけ、あと少しでいいから、ここに…俺のそばにいてくれーー」隼人 隼人は熱に侵されながらも熱い眼差しを花奏に向けてそう真剣に勇気を出して言った。 花奏はそんな隼人の様子を前にどうすればいいか分からなくなっていた。 戸惑う花奏の様子を静かに見つめながら隼人は花奏の返事を待った。 それから少ししてから花奏は一瞬だけ隼人から目線を下に逸らすとまた目線を合わせてつくったような笑顔で言った。 「ごめん、すぐ戻るから大人しくしてて」花奏 花奏はそう言うと掴まれていた手首を隼人の手から優しく外すと、そのまま部屋から出ていった。 隼人は出ていく花奏の後ろ姿を黙って見つめていた。 そして部屋の扉が閉まるのを見ると少し起こしていた上半身をそのままベッドにもう一度預けた。 「はぁ…、なにやってんだ俺は…」隼人 隼人は深いため息を吐くと天井を仰ぎながら1人でそう呟いた。 隼人はもしかしたら、今なら花奏がどこにも行かずにただそばに居てくれるかもしれない…引き止めたら、素直に頷いてくれるかもしれないと思っていた。
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