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それから花奏は隼人を見ながらふと気になっていたことを思い出した。
一瞬だけ躊躇ってから花奏は隼人にそれとなく聞いた。
「ねぇ…なんでこんなになるまで私のこと待ってたの?」花奏
「ゴホッ」隼人
隼人は突然聞かれたそのことに驚きすぎて食べていたおじやがむせ返した。
「ちょっと大丈夫?」花奏
「ああ、大丈夫だ…」隼人
隼人は近くにあった水を一気に飲み干すと心配そうにする花奏にそう言った。
そして息を吐いて落ち着くと隼人は花奏の質問になんて言ったらいいか頭を巡らせていた。
『花奏に会いたくて、花奏の前でカッコつけたくて、いつ帰ってくるかもわからないのにそれでもずっと待ってた…なんて言えるわけがないーーー』隼人
隼人は花奏を見つめながら静かに心の中でそう言った。
何も言わない隼人を不思議に思った花奏は少し不安げに呼びかけた。
「隼人…?」花奏
「その…別に、大したことじゃない、ただ、花奏のことが心配だった…ただ、それだけだ」隼人
隼人は悩んだ末、少しだけ目線を泳がせながら静かにはっきりと目の前の花奏にそう言った。
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