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そして花奏は自分の部屋に戻ると、床にかばんを置いてそのまま飛び込むようにしてベッドに身体を沈めた。
花奏はベッドの上で今日のことを思い出していた。
「あの人が…あの私を庇って、助けてくれたあの人が私の憧れてた人だったなんて…」花奏
花奏は静かにそう呟くと、ふと机の上に置いている写真立てに目線を向けた。
それは数年前に大きな舞台で初主演を飾って雑誌に載った藤村悠馬の写真を切り抜いて写真立てに入れて飾っていたものだった。
花奏はゆっくりとベッドから起き上がって机のそばまで行くと写真立てを手に取って見た。
花奏は今でもあの時初めて見たときに感じた想いを大切にしていた。
それくらい、花奏にとって俳優、藤村悠馬は輝いているまさに特別で憧れた存在だった。
「いつか絶対、私の書く物語に出てもらいたいーー」花奏
「まだまだ遠い夢だけど…でも絶対叶えてみせる」花奏
花奏は藤村悠馬の写真を見つめながらそうひとりで呟いた。
花奏は新人作家デビューを控えた今改めてその原点の想いに立ち返り決意を新たにしていた。
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