第5章 導かれるもう一つの運命の出会い

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「それに…実は僕もたまたま前売りを持ってたんだ」伊月 伊月は不意に立ち止まってそう言うと、隣でそれに合わせて急に足を止めた花奏は伊月の言った言葉にその日何度目かわからない驚きを感じた。 「えっ? じゃあ、あれは…?」花奏 花奏はどういうことなのかまったく分からずにいると、伊月は体の向きを変えて花奏と向き合うと変わらずはにかみながら経緯を話した。 「実は1ヶ月くらい前に絵画好きの友人から誘われてその友人のつてで前売りチケットを用意してもらったんです」伊月 「本当は一緒に来るはずだったんですが予定が合わず来れなくなってしまってその分の前売りをせっかくだからと僕にくれたんです」伊月 花奏は伊月の話しを聞いてその人にすごく申し訳ない気持ちになった。 「私よりも楽しみにしてた人が私のせいで行けなくなってしまうなんて…なんだか申し訳ないです」花奏 花奏が落ち込みながらそう呟くように言うと伊月は笑って言った。 「心配しなくても大丈夫ですよ、だってその友人はここの会場の持ち主の息子ですから、見たいときにいつでも見れますよ」伊月 「えっ、そうなんですか?」花奏 花奏はまさかの事実に思わず笑ってしまいながらそう言うと伊月も笑いながら頷いて花奏に言った。 「ええ、ですから何も言わずに何も気にしなくていいですよ」伊月
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