第1章 出会った部屋

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真琴に言われるまで気づかなかった。 たしかに、下のほうに備考欄があり何か書いてあるなとは思ったが、 この言葉の意味することがどんなことなのか、 部屋そのものに夢中になっていた私にはほぼ頭の中に入ってこなかった文字だった。 「今から一緒に不動産屋に行こう」 「ええ?」 私がポカンと口を開けている間に 真琴は勢いよくアイスティーをストローで吸い上げ、一度息継ぎしただけで 一気に飲み干した。 「早く、亜季も飲んじゃいなよ」 急かされて、グフッと咳き込みながら飲み干すと同時に真琴は立ち上がった。
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