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「脱獄だーーーーー!!!!」
騒がしい音が鳴り響くと、重苦しい格好をした男たちが一斉に動きだす。
「はっはっはーーー!!俺がついにやり遂げるんだ!!こんなところおさらばしてやるってんだよ!!!捕まえられるもんなら捕まえてみんさい!!腐れ看守共が!!」
男たちとは異なる格好をした一人の男は、日頃から運動をしているからなのか、その鍛えた足腰で男たちから逃げようとしていた。
そう、今男たちから逃げようとしている男は囚人で、追いかけている男たちは看守だ。
ここは難攻不落とされている大きな監獄なのだが、そこから逃げようとしている者たちも当然いるわけであって。
今逃げようとしている男もその一人で、看守をひょいひょいと避けながら逃げ切れると思ったその時、その男の前に、他の看守とは違う格好をした男が現れる。
「げっ、きた!!」
「人をオバケみてぇに言うんじゃねえよ、囚人の霞くんよぉ」
ボサボサで黄土の髪にタートルネック、顔には絆創膏が至るところについている翡翠。
翡翠は風にように動きが素早く、あっという間に霞のもとに辿りつくと、そこにもう一人の男がやってきた。
その男は青のまとまった髪をしており、首から身体全体に巻いてあるさらしは服代わりでもあるらしく、上半身にはさらし以外の衣類を身に纏っていない。
左目の下には、ホクロがついている。
「お前は呼んでねぇっつの、夕凪」
「胡蝶に頼まれたんだよ。お前だけじゃ心配なんだろうよ、翡翠」
「ちっ。あの野郎」
「あの野郎とは俺のことか・・・くちっ」
「変なくしゃみしてんじゃねえよ、胡蝶」
「花粉がすごくて・・・くちっ」
「じゃあ、俺が仕留めていい?」
「なんでそうなるんだよ」
後から来た胡蝶という男は、橙のさらっとした髪に、なかなか綺麗な顔立ちをしている。
背丈も他の2人より高そうだ。
「はっはっはーーーー!!今日の俺様は一味違うのだ!!」
「違うってよ。何がだ?」
「俺に聞くな」
「逃げ切ってみせるぜーーーー!!!」
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