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そして次男も会社を継ぎ、長女は桜花家の仕事でアメリカで活躍していく。
60歳になった時には僕は引退し、撫子と共にあの屋敷に帰ってきた。その時の僕は憔悴して、もう長くは無い身体になっていた。医師にも、いつ亡くなってもおかしくないと…。
幸助「もう…40年も経つんだね…。あの時中学生だった撫子とこうして過ごせるなんて。」
撫子「きっと、藍さんや朱音さんなら…幸助さんをもっとうまくサポートできたでしょうけど…。」
幸助「いや、撫子を選んで良かったんだよ。僕より年下の撫子だから、甘えるだけでなく僕もしっかりしなきゃって思って頑張れたんだ。それに、子供達も立派に成長した。会社も大きくなった。これ以上無いよ。僕は幸せだよ?撫子ありがとう。」
撫子「幸助さん…。」
幸助「あの時、倒れた僕を支えてくれて、今までもこうして僕や周りを支えてくれて。いや…勇気を出してこの門をくぐってくれてからかな。」
撫子「幸助さん…。ありがとうございます。選んで頂いて…。幸せです。」
幸助「撫子…あの時のように、ひざまくらしてくれないか?」
撫子「ハイ。」
幸助「ありがとう……撫子……僕は幸せものだ…。子供達の事…頼んだよ…。」
撫子「幸助さん!?まだ…一緒に…やっとこれからゆっくり過ごせるんですよ!?置いていかないでください…」
幸助「撫子…愛してるよ。ありがとう…。」
撫子「幸助さん!?幸助さーん!う…う…ありがとうございました…。幸助さんと過ごせて幸せでした…うぅ…う…」
僕は撫子のひざまくらで結婚を決意し、そしてひざまくらで息を引き取った…。
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