屋根裏から

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 親父「おい! 早く一階に集まれ!」  俺「は……? 今何時?」  親父「何時でもいいから早く来い! 不審者がまだいるかもしれない!」  寝ぼけてたからその時の親父の言ってることは意味不明だったんだけど、言われた通り一階に降りてみて、俺は完全に目が覚めた。  リビングは何者かに荒らされていて、ソファの下には食べ掛けのスナック菓子が散乱してた。その様子を母ちゃんと妹が真っ青な顔して眺めてた。  親父曰く、数分前に屋根裏から何かを引き摺るような変な音がして目が覚めたらしい。自分の部屋の天井から聞こえきたから、猫か何かが入り込んだんだろうと思って、天井目掛けて枕を投げつけたそうだ。そしたらガタガタガタ!っていうもの凄い音がして、それきり何も聞こえなくなった。まるで人間が立てるような馬鹿でかい音だったそうだ。  親父「それでここに下りてきてみたらこれだ。これは、さすがにお前や母ちゃんや璃子(妹)じゃないだろ」  俺は夜中に一階に下りたときのことを思い出して、急に怖くなった。  まあ……もうほとんど答えは出てたんだけど、俺は親父に昨日の夜1時半頃にリビングにいたかどうか訊いてみたんだ。  案の定、親父はその時間リビングには居なかったよ。あの時俺が親父だと思ってスルーしたのは、家族の誰でもなかったんだ。まったく知らない奴だったんだ。  今日も朝から警察が来て、色々捜査してるよ。話によると、犯人は屋根裏から侵入したらしく、部屋の中を物色した後にソファに座ってテレビを観ながらお菓子を食べていたらしい。  あの時、電気を点けなくて良かった。話し掛けずに部屋に戻って良かった。  皆も気をつけてくれ。家の中が安全だと思ったら、大間違いだからな。
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