レイトショー

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「こうやって映画観に行くときぐらいだもんな。……あのさ。」 先輩はなにか言いにくそうに、口をもごもごさせていた。 ずり落ちてきそうな眼鏡を上げ、深呼吸をしている。 何を言うつもりだろう、もしかしてこの関係終わりにしようとか? 俺の都合のいい感じで。 「ジェントルマンディができたらさ。  ――――――もっとお前と映画観に行けるじゃん。」 「……そうですね。」 嬉しい言葉だけれども、俺達の関係はずっとこのままなのだろうか。 自惚れかもしれないが先輩は俺のことが好きなんじゃないかとは思う。 だがそれが俺が抱いているものと同じなのか、 俺は図りかねていた。 俺はこの人と恋人同士、いやそれ以上の―――――― ああ、もういい。行動あるのみだ。
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