ほしがりは止まらない

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涼太は、吹奏楽部に属していてアルトサックスを担当している。 平均身長、容姿は顔は右目に泣き黒子、奥二重、少し色素の薄い髪の毛。 あと、1ヶ月もすれば2年生へと進級する。 ベットに寝そべりつつ、スマホを見ても、誰からも連絡はない。 横になると反射的に眠気が襲ってきた。 涼太は瞼を閉じようとした時だった。 勢いよく部屋の扉が開かれ、入ってきたのは年子の弟…圭太だった。 「兄ちゃん!オレ、第一希望の高校に受かったよ。」 「お!圭太すげえじゃん、マジでおめでとう!」 年子の弟は、第一希望であって市で一番の進学校へ合格した。 『ああ、気持ち悪い…吐きそうだ…』 だけど目の前で喜んでいる弟に精一杯の笑顔を向ける。 『なんか、まじで泣きそうなんだけど。』 涼太は、内心、弟が第一希望に落ちればいいと思っていた。 去年、自分はその高校に合格することができずに、滑り止めに受けた高校に行くことになった。 いつも自分よりも、一つ上に行ってしまう弟は、妬みの対象であり、そして脅威であった。 一つため息をつくと、スマホにメールが届いていることに気付く。 「玲さん?」 部活の同じパートの先輩である、朝凪玲からのメールであることを確認する。若干メンドくさいなと思いつつも、メールを開封した。 すると、自分の家の写真が添付されていた。 「なにしてんのあの人…」 自分の家の画像を送られて来ていることに恐怖を覚える。 するとインターホンが鳴る。誰か来たみたいだ。すると圭太が部屋を飛び出し、階段を降りていくと玄関先が急に騒がしくなった。 涼太は何だろうと思い、部屋の扉を開く。 「よぉ、涼太くん。昨日ぶり。」 目の前には昨日も一緒にアルトサックスの練習を励んでいた先輩の朝凪玲が立っていた。
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