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昌宏
「そうです。
この下手な芝居の目的は、お互いが何かを隠している。
だからこそ、お互いがお互いに対して不信感を抱くという鍵になっているのですから。
彼もおそらく、どちらを信用すればいいのか、悩んでいると思いますね。
でも真相は、我々が繋がっている。
今の彼では、この真相には、なかなか辿りつくことは出来ないでしょう。」
将生
「そうですよね。そのために、どこで芝居をするか、かなり考えましたよね。」
勇樹
「私は、彼には、騙すようなことをして申し訳ないとは思っているんです。
しかし、今回ばかりは、やらざるをえなかったですからね。
ここまでは、上手くいっているんだ。」
将生
「でも、お二人は、何が心配なんですか?ここまでは、順調なんでしょう?」
勇樹
「警護課の二人の存在です。」
将生
「二人の存在、ですか。」
勇樹
「そうです。身辺保護部隊の責任者と、先着警護部隊の責任者です。」
将生
「それって、葛西と水谷のことですか?」
勇樹
「そうです。その二人です。
この二人は、かなり優秀とのこと。どんな些細なことにも気付く勘の良さがあるらしいのです。」
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