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将生
「それでは、早速増山に連絡してみます。
さすがにこの時間なら、平嶋の取り調べは終わっているでしょう。」
勇樹
「いや、まだ、こちらから連絡するのは不味いと思いますね。
まだ、増山の近くに田岡君や、水谷がいるかもしれないですから。
今は、増山からの連絡を待っていてください。」
将生
「分かりました。それでは、増山から連絡があった時に、ビデオカメラの回収の件を伝えます。」
勇樹
「話は戻りますが、平嶋に我々の意図は、伝わったのでしょうか?」
昌宏
「どうでしょうか。全ては、増山次第だと思いますが。
タブレットの画面で、こちらの意図を伝える、というアイディアは、盗聴対策にもなる。さらに、カメラを背にすれば、盗撮対策にもなる。
増山が、平嶋に対する取り調べが個人で出来ていれば、大丈夫でしょう。」
将生
「でも、意図が伝わったといっても、こちらが盗聴をしていたことも伝えることには、私は最後まで賛成できなかったんですけど。
盗聴されていたと分かれば、平嶋は我々を信用しないのでは?」
勇樹
「将生さん。そればかりは仕方がないですよ。
暗殺依頼を知った経緯を明確に伝えなければなりませんでしたから。
そのお陰で、あの二回目の公衆電話の音声が生きるわけですから。
『何もしていない。』という音声を拾えたのは大きいです。
その点に関しては、平嶋は理解してくれるはずです。
盗聴は栗原総理のアイディアなのだから、それにより我々がこの行動をとることになったと、逆に説得力が増しますから。」
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