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指と唇16
「い、いただきます。」
チサトはそう言って、手を合わせ、スプーンに手を伸ばす。
もちろんスープを飲みたい。
お腹は空いている。
手首の不自由さはあれども届かないわけじゃない。
しかしスープに手を伸ばして気づく。
少し腰が浮いてしまう。
テーブルの上を見るとスープが一番近くそれ以外のものは少しここから離れている取るには少し腰を上げてまた座るをしなければならない。
それが何を意味してるかは分かっていた。
わざとこういう位置に置いているのだ。
そうすることでチサトの膣内にある怒張で感じさせる気なのだ。
でも、食事は取りたい…。
チサトはスープを飲み終えると、サラダとオカズのお皿に主食のパンを一つずつ載せて、全てを自分の前に持っていくことがかなった。
あとはゆっくり戻るだけ。
ゾクゾクと背筋を昇る快感を最小限に抑えながら息を殺して席に戻る。
何も言わない彼に不審感を覚えつつも食事にあり付いた。
食べ終えると落ち着いて来てなにか行動を起こせるのではと、チサトは思った。
「実はチサトならそうするかなぁとは、思ってたんだ。」
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