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指と唇2
チサトが目を覚ますと、真っ暗だった。
いや、目隠しをされているのだと気付く。
目隠しを外そうと思うがすぐ無駄だと分かってしまった。
手が縛られていたからだ。
両方の手首は頭の上でつながれていた。
「チサト、お目覚めかな。」
男の声が響く。
どうやら自分の部屋ですら無いようだ。
ベッドは気持ち良いし、声の響き方も違うようだ。
チサトは不機嫌に呟いた。
「ここ…どこなの?
なんでこんな風に目隠しして縛ってあるわけ!?」
「チサトを壊しちゃおうと思ってさ、俺。
ほらさっき、おかしくなっちゃうって言ってただろ?
だからチサトを壊してみたくなったんだ。
大丈夫だぞ。
チサトは会社に有給休暇出したことになってるから。
俺がチサトに気付かれないように取るの大変だったんだからな。」
「嘘…よね?」
「…どうだろうね?
でも一週間後にはどうでも良くなってる、…いやあと数分後にはチサトにとってどうでも良く無いことが起きるよ。」
チサトは有休の件で男を問い詰め続けていたが、だんだん息が荒くなっていく。
乳首がおかしい、熱を持ち始めていた。
「どう?
ここ、辛いでしょう?」
男が顔を乳首に近づけてわざと息がかかるように話すと、チサトの身体が跳ね上がった。
息も絶え絶えのチサトに男は続けた。
「前にも一回、目隠しでやったことあったじゃん?
その時チサト、乳首だけでイッてたなぁと思ってさ。
もっとイロイロ試してみたくなったんだよね。」
「…ハァ…、ッなにしたの?
あ…つい……。」
「前に塗る媚薬をもらったことあって、さっきチサトが起きる前にひとしきりいじってから塗りこんでみたんだ。
今、チサトの乳首、ビンビンになってるよ。
いやらしい乳首が早くいじって欲しくて赤くなってる…。」
そう言うと男はチサトの乳首を人差し指で優しく弾き始めた。
デコピンされてるのと変わらないはずなのに、チサトの体と声がそのデコピンに合わせて波打つ。
「…アッ…グゥ!
ひぁ!…やめッ…てぇッ!」
男がデコピンをやめると力が入り過ぎて仰け反った身体が布団に落ちた。
チサトは快感を鎮めるために無駄とは思っていながら、深呼吸を繰り返した。
しかし唐突にそれはやってきた。
男がその敏感すぎる乳首に吸い付いたのだ。
「あああああぁぁあぁあっっ!!」
チサトは抗う間も無く、快楽の波に飲まれた。
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