タートルネックがやってきた

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「へぇ~タートルネックって名前なの?」 「そう」 「タートルネック着てるから?」 「うん」 オッサンたちはゲラゲラ笑っている。 やばいぞ。 こいつが席に着いたことで全部こいつに持ってかれそうだ。 今まであたしが盛り上げてたのに! 「タートルネックちゃんは今日から?」 「そうだよ」 あたしの質問に対してタメ口? 一応先輩なんすけど。 引きつりそうになる顔を抑えてお客さんたちを制す。 「体入の子、あんまりいじめないでくださいね。せっかく入った貴重な清楚要員なんで」 (※体入…体験入店) 長いお客さんだからいつもこんな感じで返すけど、今日のオッさんたちはあたしの話そっちのけでタートルネックに話しかけている。 「君、異質な感じするね。でもたまにはそういうナチュラルな感じも興奮するなぁ。胸何カップあるの?」 「D」 そう答えたタートルネックに、おぉ!という歓声が上がる。 対してタートルネックは、その歓声に対しても無反応。 「そういう守りの感じで来られると攻めたくなるのが男の性だよね」 ジロジロとエロい目で見つめるオッサンたち。 なんか態度がムカつくから、体入だか何だかんだ知らないけど助けてやんねー。 グラスに入ったシャンパンをガブガブと飲みほしながらタートルネックの動向を見守っていたが、彼女は何も言葉を発しない。 言葉を発しないばかりか、表情一つ変わらない。 ただ目が乾いたら瞬きをするだけ。 マジでこいつ大丈夫か?
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