過去から今へ

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答えなんて最初からないんだ。 自分のしたいように、自分の思ったように 自分は自分らしくいるべきなんだ。 だから、気を使うこともない。 言いたいことは言う。言いたくないことは言わない。自分に嘘をつくのが1番惨めで傷つくから。 そう思うと、自分の気持ちはハッキリしていた。 とりあえず恋愛はおやすみしよう。 それが私の答えだった。 月曜日、高橋さんに会ったらちゃんと謝ろう。 そして、亮太ともけじめをつけるために一度会ってちゃんと終わらせよう。 そう決めたら、安心して突然眠たくなってきた。 心地の良い眠り。 心が開放された気分で時間を気にせずに眠れる幸せ。 明日起きたら亮太に連絡してみよう。 そう考えながら眠りについた…… ……寒い。 そっか、今日、クリスマスか。 私、亮太のお迎え来たんだった。 クリスマスイブの深夜、カフェのアルバイトで忙しい亮太の姿。 あと10分で上がってくる。 少し早く来すぎたな… 「アキ、メリークリスマス!」 後ろから優しい温もり。 「亮太…」 なんか久しぶりに見るなあ、亮太の幸せそうな顔。 「店長が早めに上がらせてくれたんだ」 「そうなんだ。」 「じゃあ、いこっか。」 いつもこうして会う時の行先は駅前のラブホテルだったけど、それでも私は亮太と会えるだけで嬉しかったよ。 クリスマスの特別な夜も、亮太の腕も、首筋も、全部大好きだったんだよ。 亮太は私の大切な心の一部だったんだよ。 ねえ亮太…… 私の気持ち、ちゃんと考えてくれてた?
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