過去から今へ

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洗濯を一通り終え、掃除をし、夕方までゴロゴロしながら過ごす。 今日の予定にはどんな服を着ていくのがベストなんだろう… 着飾った服もわざとらしいし、ラフすぎてもおかしいし…… 最近少し蒸し暑くなってきたし、大人目のワンピースにしようか。 気づけば夕方のニュースが始まっていて、服を着替え、化粧をし、家を出る。 香水もあまりかけすぎないように注意し、 化粧も薄くした。 何ももう相手からの見た目を気にして合うような相手じゃない。 今日で終わるなら尚更。 少し早めに亮太のバイト先に着くとガラス越しに仕事を頑張る亮太を見つけた。 相変わらず仕事熱心で、よく頑張っているのが伺えた。 こうしていつも亮太のバイト姿をこっそり見に来てはバレて、その都度家まで送ってくれて…… 私はそうやって亮太との距離を保ってきて ずっと好きでいるはずだった。 でもいつからか、距離を保つ努力を忘れて 気づけばこうして、二人の間には深い溝ができていた。 私が全て悪かったのか。 それは違う。 私だけが距離を保つ努力をしていたようにも思える。 私がやめた途端にこうして上手くいかない程度の関係だったなら終わりにして正解だったんだ。 そう思うと、ふと高橋さんの顔が頭をよぎった。 高橋さんとも、同じなのかな。 私が離れればそれで終わりなのかな。
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