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目の前には、どこまでも続く巨大な棚が並んでいた。
無数のオレンジ電球やネオンサインが交互に光り、やたらと眩しい。
大木が壁側に横たわり、屋根にある窓からは濃紺の夜空が見えた。
棚に沿ったベルトコンベアが無数に稼働してる。
多くの人間が忙しく働いている。一体何の工場だろう。
立派な角を持つ鹿達もそこら辺にうようよいる。
「やっと起きたのか。クリスマスはもうすぐそこなんだよ!寝てる場合じゃ無いぞ、働け!」
そう言ってブーツを履いた白髭のおじさんから手渡された靴下の山、山、山…。
「靴下についてるタグに書いてあるプレゼントを棚から探してどんどん詰めてってくれ」
「あ、はい…」
「メエエエエ」
「あれ?羊?鳴いてます…よね?」
「確か、今年は鹿不足で山羊も混ざっとる」
「で?え?靴下にクリプレインですか?」
「そうだが?何か問題でも?」
「おじさん、ひょっとしてあの...サンタクロースさん?」
「まさか『ハロウィンの魔女』には見えんだろ?どうでもいいから詰めろ!」
「え、お部屋入ってから靴下にプレゼント詰めるんじゃないんですか?」
「今は西暦2500年だぞ?お前はいつの時代の話してるんだ?」
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