スメルなアタシ

3/4
前へ
/10ページ
次へ
「え?西暦2500年!?...いやいやいやいやいやいやいや、西暦2500年ならもう現地行かないでテレポーテーションとか、瞬間移動できる運送屋さんに頼んだほうが良くないですか?」 「馬鹿言うな、それじゃあムードも何もあったもんじゃないだろ。靴下は一年前にプレゼント希望者が送って来る。それに詰めて現地持っていけば後は置きに行くだけになってこっちの手間も省ける。このシステムになる前は、何度も靴下にプレゼント詰めてる現場を子供達に押さえられて、やれサンタの手際が悪すぎて嘘寝するにも限度がある!だの、お父さんならもっと静かにプレゼントを置いて行くわっ!だの、久々に娘がご機嫌でいいところなのに指定場所に無いからってサンタから靴下の在処聞くとかねーだろ!空気読め!また家出されたら家庭崩壊だぞ!裁判起こして絶対勝訴してやんぞ!って親からのクレームだの、好き勝手言われ放題だったんだ。今やそんなこともめっきり減っていい事づくしだよ」 にしても、西暦2500年を豪語する意味がわからない。 逆に一年前から靴下の予約受付とか何故考えつく? これじゃ一年中クリプレ準備してなきゃなんないじゃん! そんなことを一人考えていたら…。 「おー新人ちゃん!あんた靴下への嗅覚と愛着がすごくてここに配属されたんだって?預かった靴下は各国からいろんなサイズありまくりだから、きっと助かるよ」 サンタなのか、まいう?なのかよくわからない格好した陽気そうなおじさんがやって来てアタシにそう言った。 そうかな?アタシ、ここで役立つのかな? どうでもいいけど、どんどん新品、中古品、サイズもピンキリな靴下がアタシの目の前に山積みされていく。 仕方ない、こりゃ頑張らなくっちゃ。 今やるべきことは不思議がってるよりここの仕事をこなすこと…なのかも。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加