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終点。終点。
ごく業務的に繰り返す言葉に、はっと目覚めた時、電車は真っ暗な景色を窓に映して停車していた。
反射的に立ち上がろうとすると、右肩に乗っていた何かがずり落ちた。
「っ……」
私が立ち上がった後のシートを枕にその人は小さく唸った。
「あの……終点、みたいですよ」
「えっ!?」
屈んで声をかけた私と、急に起き上がった彼とどちらが悪いのか、示しあわせたようなタイミングでごつんと、頭がぶつかった。
「……いったぁ……」
相手も相当痛かったと思うけど、さすがに男の人だからか先に顔を上げた。
「すいません!……だいじょう……というか……」
その人が口ごもった時
「終点です。この列車は車庫に入ります」
と車掌さんが急かすように私たちの前を通り過ぎて、私たちは急ぎホームに降りた。
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