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 山あいにある終点の駅は、煌々と電気の点いたホームの外は真っ暗闇で、コンビニなどの看板の明かりひとつ見えなかった。 「……もちろん、上りは終わってますね」  その人は反対方面のもう何も映し出されていない電光掲示板を見る。 「タクシー……は」  呟きながらその人は素早くスマホを操作して、ほどなく溜息をついた。 「……この辺のタクシーは夜間早朝は予約の客しか受けないんだそうです。乗り過ごして同じ目に遭った人の話が出てます」 「そう……ですか」  黙って、改札に向かう階段を下りていると、隣で彼が言った。 「あの……とりあえず責任持ちますから、あなた一人で放り出したりしないのでそこは安心してください」 「え?……すいません。ありがとうございます」  責任、って何の話だろう。    別に偶然、隣合っただけで……と思っていると、彼が言った。 「その……ずっとあなたに寄りかかってたから、もしかしてそのせいでいつもの駅で降り損ねたり」
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