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「……すいません」 「あ、いや……ごめん。変な言い方して」  暗い、静かな道をただ一人の連れと押し黙って歩くのは辛い。  迷って、私は口を開いた。 「あの、あたし両親早くに亡くしたのもあって、いつもだいたいのことは一人で何とかしてるから、何かあっても絶対何とかなるって考える癖がついてるんです。今も、道真っ暗で怖いですけど、星とか見たらちょっと気が紛れるし。だから……イラッとさせたら、すいません。でも、これが一人だったら、そんな余裕も無かったので、一人じゃないからそう思えるので……」  振り返った彼の表情を見て、……暗いので雰囲気程度に感じただけだったけれど、私は言った。 「そういうわけでアクシデントに鈍感な女だと思ってもらった方が、納得されるかと思って話しただけですから、気を遣わないでください」 「……君、いくつ?」 「27です」 「そっか。……悪かった」 「いえ、謝ってもらおうと思って言ったんじゃないです」 「……こっちはこっちで、君に何かあっちゃいけないと思ってイライラしてたかもしれない。ごめん」  私は首を振って、また歩き出した。
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