苦い記憶

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友里の言いたいことは私にも分かった。 自分自身が極端に男性に対する対応が冷たいことを。 でも、私は男性と必要以上に親しくしたくないし、プライベートに踏み込んでほしくなかった。 水田先輩……ごめんなさい。 いつも気にかけてくれてありがとうございます。 心の中で私はそう唱えると、パソコンに目を向けた。 羽田 沙耶、25歳。大学を卒業後、このSTI株式会社の企画営業部に入社して4年目。 STI株式会社は世界の食品を扱う大手企業だ。 世界中に支社があり、誰もが一度は聞いたことがあると思う。 私のいる企画営業部は、海外で人気の商品などをリサーチして、国内での販売をするための企画や戦略を立てる部署に所属している。 最近だと、韓国で人気のお菓子や海苔などを担当していた。 初めの頃はとても苦労をしたが、今はとてもやりがいを感じている。 私は気合を入れるために、デスクの引き出しを開け、ヘアクリップを取り出すと、ここ5年ずっと肩より伸ばしたことのない、濃ブラウンに染めた髪を邪魔にならないように留めた。
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