試される愛

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「誓って私はなにもやましい事はありません。ただ優悟さんを思っているだけです」 静かに真っすぐに言い切った私に、お母様は小さくため息をついた。 「……お金なのよね?」 「はい?」 お金?何のこと? 「私にとって、優悟は大切な息子です。お金が必要なら差し上げます。だから、手を引いてください」 もう、なんのことかわからなくなった私は、お母様に問いかけようとしたところで、ドアが開いた。 「おばさま!」 そう言って入ってきた人を私はやっぱり……という思いで見た。 「日名子ちゃん」 「どうして私に言わずにこの人を呼んだの?」 少し慌てたように言った日名子さんの言葉で、日名子さんが呼び出すことを企てたのではない事がわかった。 「だって、日名子ちゃんのお話をきいて、いてもたってもいられなかったの。優悟をお金目当てで近づいてきたのなら、お金を差し上げれば……」 ああ、このお母様は生粋のお嬢様なのだろう、人を疑う事もしらず、ただ大切な物を守るために私を呼んだのだという事がわかった。
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