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「私は決してお金目当てなんかじゃありません」
むしろお金があるからこその、この状況じゃない方がどれだけ平和だったことだろう。
お金があるという事も、また大変なのかもしれない。
「おばさま、だまされてはいけませんよ。この人はお兄様がいながら、他の男とこういうことをできる人なんです。そんな人にお兄様を任せていいのですか?」
「これは……」
そう言った私に、日名子さんはまだ勝てるとおもっているようで、キッと私を睨みつけた。
「5年前の証拠はないし、これは事実でしょ?」
確かにあの飲み会の後の、この写真は本物だ。
「そうですね」
認めざるを得なくて、私は静かにそう言葉にした。
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