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「おばさま、お兄様がこれでは不幸せになってしまいます。どうか、私との結婚をお兄様に納得してもらってください。そうすれば私がお兄様を幸せにします」
なぜかメロドラマのような気がして、私は現実味のない2人を見ていた。
こんな世界が存在することも驚きだったし、このお母様に育てられた優悟君が現実味離れしなかったことが驚きだった。
そこまで思ったところで、ガタンという音とともに、かなり低い怒りに満ちた声が聞こえた。
「そんな事を日名子に頼んでいない」
「優悟!」
「お兄様……」
同時に言われたその言葉に、私はゆっくりと振り返った。
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