試される愛

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「おふくろは今からディナーをとか言っていたけど、沙耶もう疲れただろ?ほら、作ってもらってきた」 お皿に並ぶ美味しそうな、前菜やサンドイッチに私は目を奪われた。 「あと、足りないかもしれないから、俺の好きなこれね。あっ、ビール持ってくる」 そう言いながら優悟君は、慌ただしく部屋を出ていった。 そんないつも通りの優悟君に、私は心底安心するとようやくお腹がすいていることに気づいた。 すぐに優悟君はワインを持って戻って来ると、「缶ビールもないのかよ……」とブツブツと文句を言っていた。 「沙耶、この家ワインしかなかった」 そう言いながらコルクを慣れた様子で開ける優悟君に、私はくすくすと笑い声をあげる。 「ねえ、そのワインひょっとしてすごく高いものじゃないの?」 「え?あー、まあ、いいじゃん。迷惑料だよ」 そう言いながら優悟君はワイングラスに、きれいなルビー色の液体を注ぐと、私に手渡してくれた。 口に含むと濃厚な味が口いっぱいに広がり、私は大きく息を吐いた。 「おいしい……」 そんな私を見て、優悟君は「よかった」と自分もワインを口にした。 そしておもむろにグラスを置くと、ベッドの私のところにくると力強く抱きしめた。
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