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「俺の事を……?」
「そう言う所は相変わらず鈍いよね。優悟君って昔から誰にでも優しかったし。どうせ日名子さんにも誤解をされるようなことをしてきたんじゃないの?」
少しイジワルく言った私の言葉に、優悟君も反省したように頷いた。
「そうかもしれないな。兄貴は年が離れていたし、1つ下の日名子は俺にとってずっと一緒にいた存在だった。ただ俺にとっては可愛い妹だったんだけど……。日名子は違ったんだな」
優悟君はワインを飲むと、大きくため息をついた。
きっと日名子さんはいつも女として見てもらえない事が、間違った方向で手に入れようとしたのだろう。
「だからと言って、許されない事をしたのは事実だ」
静かにいった優悟君の言葉に、私も頷いた。
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