甘い罠を何度でも

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甘い罠を何度でも

あの日から数カ月、一緒に住み始めて忙しいながらも一緒の生活を楽しんでいる。 まるで結婚したかのような状態に、私は今日も幸せな気持ちで隣で眠る優悟君を起こさないようにベッドを出る。 「まだいい……」 どんなに静かにそっと起きても、優悟君は毎朝先に起きる私を後ろから抱きしめる。 「なんで起きちゃうの?」 今日こそは大丈夫だと思っていた私は、苦笑しつつまだ目が閉じたままの優悟君を見つめた。 「なんでって、沙耶の気配がなくなるのに、気づかないわけ……」 そう言いながらも、まだ眠そうな優悟君の髪を撫でながら私は呟く。 「もう少し眠って」 「うん……」
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