苦い記憶

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「沙耶、お昼行こう」 友里の少し大きな声に、ハッと時計を見て私はくるりと首を回した。 「もうこんな時間だったんだ……」 「本当に、集中すると沙耶は時間を忘れるよね」 クスリと笑った友里の言葉に、私も笑顔を向けた。 「ほら、沙耶。その笑顔。男の人にも向けなよ」 2人で並んでエレベータに向かいながら、友里がため息交じりに私を見る。 「いいの。私はこれで」
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