苦い記憶

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サークルに入ると、思った以上に楽しく、友達も出来て海だ山だとたくさん出かけた。 優悟はサークルの中心メンバーで、みんなの人気者で整った顔と優しさで人気者だった。 優悟の周りには人が集まり、もちろん優悟を狙う女の子も多くいた。 そんな私はかわいい後輩のポジションでずっと近くにいれて、それだけで幸せだった。 「沙耶は俺が勧誘したんだから、責任取らないとな」 そういって屈託なく笑い、妹のようにかわいがってくれるだけで幸せだった。 でも、私が大学2年、優悟が4年になる時に、優悟に告白され初めての"彼氏”ができた。 結果から見れば、気の迷いだったのか、気まぐれだったのか、ふざけただけなのか、遊ばれただけなのか……今となってはもちろん分からない。 優しくて、非の打ち所がない彼が、なんの取り柄もない私に仕掛けた甘い罠に引っかかってしまったのかもしれない。 それからの1年半、唐突に残酷な終わりがくるまで、私にとってすべてと言っていいほど大切な人で、私の初めてを奪った男だ。 その時の私のすべてだった。
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