2000ヒット記念小説 結局短編じゃなかったんですよねこれ。

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私と彼女が出会ったのは友人に誘われた合コンにいやいや出席した日のことだ。 その友人はいい奴だけど、ちょっと暑苦しいし、何となく交友関係の派手なところもあるから、あまりその手の話は聞かないようにしているのだが、その日に限って仕事終わりでスッキリとしていたのもあり、うっかり電話に出てしまった。 いつもなら断るのだが、体調不良で欠員が二人も出て本当に困っている様子と金曜の仕事終わりの開放感、それに友人にいつも断っている罪悪感で引き受けたのだ。 新宿駅近くの喫煙所で暇をつぶしていると、待ち合わせ場所が書いてあった。 『マキの職場の近くじゃなくてごめんなんだけど浜松町なんだf^_^;) 今度埋め合わせするから、とりあえずこっちまで来て!(>人<;)』 私は返事をすると不機嫌に煙草を消して歩き始めた。 浜松町に着いてメールをうつ。 『で、お店はどこ? 名前は?』 すぐに返信がきて、駅で待っているように言われる。 沖縄料理屋と言うことで、若干テンションは回復した。 「朋子、こっちだよ。」 目の前のラジオ局の前に一段と小柄な女性を見て手を振る。 彼女はその声に気付いたようで、にこやかに横断歩道をかけてくる。
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