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「…思い出すだけで凄惨なことばかりだよ、父親は酔って家に放火して母親を殺した。それから誰も俺には関わらないし、これから住む場所もない。だから…」
『あっそ、でもいじめられてないじゃんか』
「続きがある。」
『きいたげる』
「金が欲しくて体を売った。女の子じゃないから高いお金は貰えないけど、一回2万で、顔がいいからオバサンに買ってもらえたんだ」
『よかったじゃん、顔良くて』
「良くねぇよ別に、いつの間にか噂が広まっていじめの日々、生きるのに疲れたよ」
『それはそれは、結構な人生で』
「それが俺の死にたい理由だよ、」
『ふーん。面白い人生なのに勿体無いね』
面白い?何言ってんだかこの女は
「面白くなんか無ェっすよ、」
呟いたら、その女は急に立ち上がった。
と思えば助走をつけて辛うじて囲われていた柵から飛び降り、というか飛び立とうとしてる。
「何、して、!!」
咄嗟に彼女の手を掴んで引き戻す
『生きるのやめようとしてる』
「何でだよ、」
『あたしの人生面白くないから』
「はぁ…?」
また彼女は立ち上がって仁王立ちで叫ぶ
『君の人生は大変面白い!何にもない無個性な人生を歩んでいる少年少女たちよりも余っ程面白い!!!』
「ちょ、うるせ、人くる!」
『うるせくない!!』
何故か彼女は楽しそうで、タピオカミルクティーを1口含み、キスをして口移しで俺に飲ませる。
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